避難リュックのススメ
19.05.22
東日本大震災後、災害への備えが意識されるようになりました。災害時に子どもに必要なものはその発達段階によって大人とは大きく異なります。 いざという時に備えるということは、「何が自分にとって大切か」「家族にとって大事にしたいことは何か」ということを考えるきっかけにもなります。非常時に慌ててしまわない為にも、日頃から家族で災害時のことを考えてみましょう。
《避難リュック・備蓄の種類と区別》
非常時の事を考えると、“あれもこれも…!” “もしかしたら…”と、どんどん荷物が増えていきがちです。まずは、次のように分類を意識して避難時の荷物や備蓄を整理していきましょう。
① 常時携帯用セット
災害時のみならず、交通事故や出先で子どもの具合が悪くなった時などに備えて日頃から常時持ち歩く物を考えてみましょう。
例:母子手帳、常備薬、非常食(おかし等)、ライト、ベビー用飲料水など
② 一時避難セット(家に置いておくもの)
避難セットは、子どもを抱っこした状態で背負える・持てる量を意識しましょう。荷物が重すぎるとバランスが取れず転びそうになったり、動きが制限されてしまい危険です。
例:耐火シート、救急セット、ミルクや食料品など
③ 備蓄セット(災害が落ち着いてから取りに戻るもの)
長期の避難生活に備えて必要なものや、②のセットに入りきらなかったものなどを用意します。
《リュックの中身の一例》
以下は一例ですが、①常備携帯用セット ②一時避難セット ③備蓄セットのどれに取り入れるか考えてみましょう。バッグについてはリュックだと両手が空くので便利です。
1)母子手帳
子どもの生育歴、持病やアレルギーなどがわかります。万が一の時に備えて、できるだけ持ち歩くようにしましょう。
2) オムツ・おしり拭き・トイレットペーパー
おしり拭きは身体を拭くためにも役立ちます。トイレットペーパーはティッシュとしても使えますし、芯を抜いて潰すとコンパクトになります。
3)ミルク・哺乳瓶・授乳用ブーケ
子どもの授乳方法に合わせて準備しましょう。ミルクはスティックタイプが便利です
4) 離乳食・非常食・お菓子
離乳食やアレルギー食は自治体でも準備が不十分なことがあります。そのまま食べられる市販の離乳食などを準備しておくといいでしょう。大人用の非常食も柔らかくすれば子どもも食べられるものもあります。また、子どもが普段食べ慣れないものは災害時に食べない可能性もありますので、食べ慣れているお菓子などもあると安心でしょう。 非常食は塩分が高いものが多いので、妊婦の方や授乳中の方はなるべく塩分の少ないものを選びましょう。
5) スプレータイプの消毒液・救急セット
災害時は衛生状態の悪化が懸念されます。次亜塩素酸水などがあるとノロウィルスなどにも効果がありますが、なければアルコール消毒(手口拭き)などでも感染予防に効果あります。
6) 抱っこ紐
避難の際や避難所でも、抱っこ紐やおんぶ紐があると両手が使えます。
7)毛布・カイロ・冷えピタ
どの季節に災害が起こるかわかりません。特に乳幼児は体調を崩しやすいので、防寒対策や熱中症対策グッズも用意しましょう。
8)着替え・靴
避難の際に抱っこをして逃げると、子どもの靴を忘れがちです。子どもが歩ける場合は避難用の靴があると便利です。
9)常備薬・救急セット
怪我は災害が落ち着いてきた頃に気付くことが多いようです。傷口からの感染症予防の為にも簡単な救急セットを準備しておきましょう。
10)ラジオ・モバイルバッテリー・携帯用充電器
災害時に「情報」は最も重要なもののひとつです。携帯電話が使えない場合、安否確認も大変になります。電池は貴重なものになる可能性が高いので、手動でクルクル回したり、ソーラーで充電できるものがあるといいですね。
11)おもちゃ・絵本
子どもの大好きおもちゃがあると避難所でも安心でき役立ちます。かさばらない折り紙や薄い絵本もおススメです。
12)お皿・コップ・食具・ラップ
ラップを食器の上に敷き、ラップだけを取り換えれば洗い物やゴミが少なくでき、衛生的です。食器の準備数も少なくて済みます。
13)LEDライド
停電時の建物の中や地下鉄内などで役立ちます。キーホルダー型など小ぶりのものがおすすめです。
災害発生時などの非常時は命を守ることが何より最優先です。特に一時避難セットについては重さを意識して準備してみましょう。そして実際に荷物を入れた状態で背負い、子どもを抱っこして避難ができそうかご家庭で試してみることをおすすめします。