寝かしつけをラクチンに~入眠儀式をつくろう
19.05.22
脳の発達や成長ホルモンのために子どもの早寝早起きが大切なのはわかっているけど…なかなか思い通りの時間に寝てくれなくて、ついつい夜更かしになってしまう。保育園ではどうやって寝かしつけしているの?というご質問をよくいただきます。
寝かしつけの手段のひとつとして、毎晩ほぼ同じ時間に決まった日課をおこなうことをおすすめします。例えば、お気に入りの絵本を読んであげる、子守歌や鼻歌を聞かせる、保湿クリームを塗ってあげる、お気に入りの人形やタオル・毛布を持たせるなど…。これらは“入眠儀式”と呼ばれ、毎晩のおやすみ前に同じ日課を繰り返すことで、子どもは「これが終わったら寝る時間だ」と自然にわかるようになります。そうすると、だんだん就寝時間が定まっていき、子どもの夜更かし防止にもなります。 “儀式”というと大げさなように聞こえますが、“ルーティーン”や“習慣”のようなものとイメージしてください。ぜひ家庭に合った形で入眠儀式を取り入れてみてはいかがでしょうか?
入眠儀式のポイント
どんな入眠儀式を取り入れよう?と悩ましく思う家庭も多いと思います。ここからは入眠儀式をおこなっていく上でのポイントをご紹介します。
1)長時間過ぎず、親子のコミュニケーションタイムになるように
子どもは繰り返しが大好きです。毎日決まっておこなうことが習慣化していくと、その時間を楽しみにしたり、その時間が期待したりするようになります。でも毎日、「好きなお話を3冊読んでから」などボリュームのある内容は大人も途中で眠くなってしまいますよね。入眠儀式は数分~10分、長くても20分くらいで終わるものがいいでしょう。また、子どもは大人がとなりにいてくれるだけで安心します。子どもが小さいうちは、子ども一人でおこなうものではなく、スキンシップやお話など、親子でコミュニケーションをとる内容のものがおすすめです。(例えば、電気を消して、オルゴールをかけ、その音を聞きながら頭をゆっくり撫でる…のような簡単なものも効果的です。)
2)子どもが落ち着くものにする
入眠儀式の目的は眠りに誘うことです。「DVDでアニメを一つ見てから」というような、子どもが興奮してしまう内容は避けた方がいいでしょう。
また、大人にもいわれますが、寝る前のスマホは子どもにとっても刺激が強いです。その子にとってお気に入りの日課が一番いいのですが、気分が落ち着くものを意識して選びましょう。
また、生まれたばかりの赤ちゃんが夜泣いて起きるように、小さいうちは体内時計が正しく機能していません。昼と夜の区別がつくように、寝る前は寝室の電気を消して、静かな環境を整えて「夜」の時間を子どもが体感できるようにしましょう。
3)毎日できるものにする
毎晩決まった時間におこなう日課は、“毎日続けられること“が何より大切です。子どもがよく寝るとはいえ、車での夜のドライブを毎日続けることは難しいですよね。
また、日によってちがう大人が寝かしつける場合、入眠儀式の内容も“お母さんしかできないこと”など特定の大人にしかできないことは避け、寝かしつけにかかわる大人みんなができるものがいいかもしれません。家族で相談して、毎日続けられるものを慎重に選びましょう。
4)ルール化せずに、時には柔軟に
ここまでのお話で入眠儀式は“毎晩同じ時間・内容で、続けられるもの”としましたが、子どもの体調が悪いときや、日中強い刺激を受けて興奮したとき、イヤなことがあって子どもがなかなか眠れないときなどは“毎晩同じ”にとらわれ過ぎないようにしましょう。そしてそんなときは、入眠儀式の時間をいつもよりたっぷりとって、一緒に寝るぬいぐるみの数を増やしたり、絵本を1冊多く読んであげるなど、子どもの様子に合わせて柔軟に気持ちを受けとめてあげることも大切です。また、子どもの成長の過程で興味が変わった際には、子どもの様子に合わせて入眠儀式の内容を少しずつ変えていってもいいかもしれません。
最後に、それでもどうしても寝てくれない時は、子どもを普段より朝早く起こしてみましょう。睡眠は子どもの生活リズムが身についてくると自然と安定していきます。子どもをいつもより早く起こすのは大人にとっても大変なことですが、朝起きる時間が早まることで夜の入眠時間もきっと変わってきます。また、朝に子どもを起こす際はまずカーテンを開け、太陽の光を部屋に入れて明るくすると朝と夜のメリハリもつきやすくなります。入眠儀式を試しても子どもが寝てくれず、寝かしつけの時間が長くなりすぎてしまう場合は、1週間だけでも“朝早く起こす”を実践してみてはいかがでしょうか。